※本ページはプロモーションが含まれています※本日、2026年1月31日。今治市民にとって、一つの大きな時代が幕を閉じようとしています。
東洋紡績工場の跡地に忽然と現れ、約29年間にわたって「今治の象徴」であり続けた『フジグラン』が、ついにその長い歴史に幕を下ろします。
今治に住む私たちにとって、ここは単なるショッピングモールではありませんでした。週末の家族団らん、放課後の友人との語らい、初めてのデート。そんなキラキラした思い出が詰まった、いわば「街の心臓部」の一つでした。



90年代後半、あの「巨大な壁」が現れた日の衝撃
1997年、今治に「フジグラン」ができると聞いた時のワクワク感は、今の若い世代には想像できないかもしれません。当時の今治には、まだ「シネコン(複合映画館)」という概念がほとんどなく、巨大な2階建ての建物が建設されていく様は、まるで未来都市がやってくるような感覚でした。
「あそこに行けば、なんでもある」
「あそこに行けば、誰かに会える」
そんな期待を胸に、オープン当初は駐車場待ちの大渋滞が発生し、国道が麻痺したのも今では良い思い出です。
2階のゲームセンターと、消えた「シネマサンシャイン」
特に思い出深いのが、2階の奥にあったゲームセンターと、かつて存在した映画館「シネマサンシャイン今治」です。
今治で映画を観るならここ、というのが定石でした。ポップコーンの香りが漂うロビー、少し背伸びして観た深夜の上映。残念ながら映画館は先に閉館してしまいましたが、あの赤い屋根の下で過ごした映画の時間は、今も私たちの記憶に深く刻まれています。

フードコートは「放課後の社交場」だった
中学生、高校生にとってのフジグランは、まさにサードプレイスでした。
テスト期間中、参考書を広げながら(本当は半分以上お喋りしながら)食べたフードコートのラーメンやたこ焼き。少しお金に余裕がある時は、サーティワンでアイスを頼むのが最高のご褒美でした。

今のSNS映えなんて言葉がなかった時代ですが、あの場所こそが当時の私たちの「映えスポット」だったのです。

3. なぜ閉店するのか?語られない真実と経済背景
これだけ愛されていた店舗が、なぜ閉店の道を選んだのでしょうか。そこには複数の要因が重なり合っているようですね。
① 土地・建物賃貸借契約の満了
公式発表でも一番の理由とされているのが、これです。1997年の開業から数えて約29年。土地所有者(今治タオル工業組合など)との長期契約が節目を迎えたことが最大の要因です。
② 建物の老朽化とメンテナンスコスト
29年という歳月は、建物にもガタをもたらします。特に塩害も受けやすい沿岸部に近い立地であり、維持管理や耐震補強にかかるコストを考えると、継続よりも「撤退・最適化」という判断が下されたと考えられます。
③ 今治地区のドミナント戦略の変更
近年、今治市内では「フジ今治店」の建て替えリニューアル(2023年)が行われました。大型の「グラン」よりも、日常使いに特化した「食品スーパー」へのシフト、そしてイオンモール今治新都市などの競合店との棲み分けを再構築する必要があったのでしょう。


4. 2026年1月31日、最後の一日を歩く
今日、私は最後のフジグラン今治に足を運びました。
店内には「29年間のご愛顧ありがとうございました」という垂れ幕が下がり、至る所に惜別のメッセージボードが設置されていました。
そこには、
- 「子供の初めての靴はここで買いました」
- 「3世代でお世話になりました」
- 「私の青春そのものです」 といった、市民からの生の声が溢れていました。これを読んで涙を流さない今治市民がいるでしょうか。
閉店セールで少し寂しくなった棚を見ていると、建物の息づかいが聞こえてくるようです。「お疲れ様」と声をかけずにはいられませんでした。
5. 跡地はどうなる?「フジグラン今治ロス」の先にあるもの
気になるのは「その後」です。
現在、跡地についての確定的な情報はまだ出ていませんが、地元の噂や経済事情から予測されるシナリオは以下の通りです。
- 更地にして新たな商業施設を誘致: 交通の便が良い場所だけに、ニトリや家電量販店などの出店が期待されます。
- 物流拠点・倉庫としての活用: 今治港に近いという特性を活かした再開発。
- 住宅地・マンション開発: 周辺には学校も多いため、ファミリー層向けの宅地化の可能性も。
いずれにせよ、あの「赤い屋根」がなくなることで、今治の景観は大きく変わります。しまなみ海道側から今治市内へ入る際に目に入ったあの景色が失われるのは、心にぽっかりと穴が開いたような寂しさを感じさせます。
6. まとめ:さよなら、私たちのフジグラン今治
「当たり前にある」と思っていた場所がなくなる。
その喪失感は想像以上に大きいものです。しかし、フジグラン今治が私たちに与えてくれたのは、物だけではなく「時間」であり「場所」でした。
今日で営業は終わりますが、ここで出会った人、ここで買ったもの、ここで笑った記憶は、今治市民一人ひとりの中に生き続けます。
ありがとう、フジグラン今治。
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